ホロボックス
Story 生い立ち
2014年、当時私は自動車整備会社に勤めていました、そこで農家のお客様からの依頼で鉄フレームを溶接で作り、シート屋さんで作ってもらったシートをかぶせたオーダーメイドの軽トラック用幌を多数製作していました。
ご満足頂けるものは出来たのですが、どうしても気になる欠点がありました。
それは重量です。
鉄製のフレームは丈夫ですがとにかく重く、中にはホイストで吊らないと車両に載せれない物もいくつかありました。
そこで軽量化と必要十分な強度を持たせた、幌の代わりになる物を作れないかと思い製作したのが、このホロボックスです。
フレーム
完成させるまではかなり困難な道のりでした。
はじめて試作したものは、フレームとフレームを小さなステーを使って組み上げて枠を作っただけの物で、
強度は弱く、手で揺らすと今にも折れそうなほどグラグラしてとても使える物ではありません、もちろん商品として売り出す事などできる物ではありませんでした。
そこで試行錯誤を繰り返しステーの形状や大きさを変え、フレームの太さやフレーム同士の結合位置、フレームの車体への取付方法や取付位置まで考え、強度と軽量化を両立したフレームが完成しました。
そしてこのホロボックスの特徴としてフレーム本体には溶接個所がなく、フレーム同士の結合は全てステーやブラケットをネジで固定する方法を採用しています、その理由は第一に補修のし易さです。
このようなドア付きタイプのボックスの場合、ドアを開けたまま車を動かしてしまいぶつける事があります、その時全てを溶接で結合していると全体が歪んでしまい修復が困難になり最悪の場合全てを作り直さなくてはいけなくなります、
一方ステーやブラケットをネジで固定する方法の場合はぶつけた衝撃をステーやブラケットに逃がせるため、破損のリスクを最小限に抑えられ、フレームごとで交換出来るので修理もしやすいと言うメリットがあります。
ボディーパネル
試作当初のホロボックスには帆布を使用していました。
今まで帆布を使用した幌しか作ったことがありませんでしたし、パネルを使用するという発想がありませんでした。
ただ帆布を使用するには問題がありました、それは外注先の事情で一つ一つフレームを完成させ現物合わせじゃないと作れないこと、それと納期に数か月かかることがあり、自分で加工できる材料で軽量で丈夫なものが無いか悩んでいました。
そこで色々探し辿り着いたのがアルミと樹脂の複合パネルです。
この材料はすでに一部キャンピングカー等のボディーパーツとして採用されているのですが、無知さ故にそこに辿り着くのにかなりの時間がかかってしまいました。
加工は思った以上に簡単でしたが、慣れない作業で失敗もしつつようやく完成しました。
ドア
ドアフレームははじめ本体と同じようにステーとブラケットを使用し枠を作りましたが、強度が弱く開閉する度にグニャグニャとフレームがたわみ、とても使用感の悪いもので補強を入れたりブラケットを増やしたりしましたが、コストばかり増え全く効果がありませんでした。
そこでドアフレームの接合には溶接を採用して強度を確保することで完成しました。






